●夜の終り

夜の終り
The End of the Night
ジョン・D・マクドナルド
John.D.MacDonald
吉田誠一 訳
創元社推理文庫
刑務所では群狼殺人事件の犯人、男三人と女一人の死刑が執行された。弁護士の覚え書き、犯人の獄中記などによって、彼らの恐るべき犯行の全貌が徐々に浮かび上がってくる。強盗、誘拐、暴行、殺人の狂宴!いっさいの道徳倫理はもちろん、行為の必然性すら失って、その場の衝動にかられて兇悪な犯行を重ねる四人の若きサディストのグロテスクな生態!ノン・フィクション・スタイルの迫力で1960年度のベストワンと絶賛された犯罪小説。ロス・マクドナルドと並ぶ人気作家、ジョン・D・マクドナルドの初紹介。
1963年初訳の本なので訳文が古めかしいのは仕方が無いところですが、ところどころに振られているルビにおぉぉ、と思ったりできるのがこの時代の小説の楽しみでもありますね。
全体の構成が凝っていて、メインの事件として語られる誘拐殺人事件の顛末が最後までわからないようになっています。上手いですね。
被告側弁護士の覚え書き、犯人の一人の獄中記とが並行して語られ、何が起こったのか、分かる部分と想像で補う部分とのバランスがいいんですよね。
クライムノベルものとしては若干迫力に書ける部分があるのは現実の事件のほうがもっと悲惨で救いがないものになってしまったからでしょうね。
当時は相当ショッキングだったのではないでしょうか。ベトナム前の話ですよ、ベトナム前の。
それにしても、ベトナム前はアメリカって意外とのどかって言うか、車のキー挿しっぱなし多すぎですよ(笑)